再びインラントへ2
「おぉ、テルガニ伯爵、お戻りですか」
「は、ただいま戻りました」
国境からインラントの街の周りまで帝国軍が居ないことを確認してから街に入り、軍議の中でルネリエル王弟に面会するジェロ。
「ミュンヒ地方のミュンハーフェンを一時支配し、一部の住民を避難させてから戻って参りました」
「住民の避難とは?」
「はい、帝国に併合されたミュンヒ地方で生きていくのが難しいと決断した住民を、ルグミーヌ王国経由で逃します。私の開拓地テルヴァルデに向かわせますので、ラーフェン王国も通過することをお許しください」
「あぁ、それはもちろん許可する。それより、一時でも支配したということは帝国軍を引きつけていたということですか」
「はい、以前に確認したこのインラントに向かう増援部隊が1万人でしたが、その2〜3倍の規模と思われました。さすがに自国領土内の街の奪還だからかと」
「それで、その軍勢は?」
「以前と同じく兵糧などの荷馬車を燃やして来ました。その絡みで怪我人も出たかと」
「ではしばらくは帝国からの援軍は難しいと思われるな。皆の者、聞いたか。再びエアライツの街の奪還に向かうぞ」
「お待ちください!そんな情報程度で動いてよろしいのですか?」
「そうです。先日も帝国軍には被害を受けているのですから」
「いや、あれは誘導に引っかかっただけだろう。今、援軍が来ないうちにこの南西部の街を奪還しないと、モーネ達の支援にならない。これは決定事項である」
いつにないルネリエルの強引な軍議進行を疑問に思いながら成り行きをジェロは見ている。
軍議の解散後、王弟から個室に呼ばれるジェロ。
「お戻りをお待ちしていました。どうかお助けください」




