魔人
『他にも悪魔が2体いるわよ、気をつけて』
「悪魔というのはそこにいる2体のことか?魂を捧げないと強くなれない程度の悪魔か」
「何だと!?いや、お前には見えるのか?」
「ふん!くだらない悪魔だな。お手軽に魂で喜ぶとは」
『良い感じの挑発よ。会話に持っていって逃げる隙を作らないと』
『もう限界!俺のキャラじゃないよ!』
「ほぉ、そういうことか。この角の生えた奴らが全ての元凶ということだな」
メオンが相手の強さを認識したのか、他の冒険者たちに逃げるようにこっそり誘導しながら前に出てきて、会話を引き継ぐ。
「ダンジョンはどうやって作ったんだ?いや、たまたま出来たのを流用するしか無かったのだろう?」
「そんなわけあるか!ダンジョンが近くにあるということは魔素が集まりやすいところだから狙ったに決まっているだろう!」
『あら、良い感じに誘導しているじゃない。今のうちに魔人たちの死角に。アイツらが出てきた通路に』
「ダンジョンでオークを大量発生させて人を襲わせたのは分かったが、ゴブリン村も新たに出来ていたのは失敗か?」
「何?失敗なわけが無いだろう!オークに追い出されたゴブリンたちも人間を襲う。さらに、魔石を取らないままの魔物の死体を放置して魔素を分散させたから、この一帯を新たな魔物が産まれる土壌にしたのだ。狙ってやったに決まっているだろう!」
「ヘモス!」
「すみません、アゼルフス様」
「どうやらヘモスとやらの悪魔はしょぼそうだな!」
「何だと、我が契約悪魔のハポリエルは、アゼルフス様のグサイモン様ほどでは無いにしても、お前たちなど一掃できる強さだぞ!」
「ヘモス!のせられてはいけません。ほら、逃げようとしていますよ」
「くそ!ハメやがったな。ハポリエル、追うぞ」
『ジェロ、今よ、ダンジョンコアをこの刀で切って!』
「えい!」




