ミュンハーフェンからの避難民3
ワイバーンのルッツの姿を見たルグミーヌ王国の部隊が少し混乱したようである。
「よく見ろ。テルガニ侯爵の家中の方々だ。つい先日までインラントの街などで見ていただろう!」
騎士団長のトリアウエ達が兵士達に声をかけている。
近すぎる場所に着陸すると失礼になると思われるので、少し離れた場所に降り立ち、ルッツを残して陣地に向かうコンスタン達。
「お騒がせして申し訳ありません。トリアウエ団長。少しお時間を頂戴してもよろしいでしょうか」
「コンスタン殿、ご丁寧な申し入れ、ありがとうございます。はい、こちらで少しお待ちくださいませ。王女殿下も連れて来ますので」
やはり?という顔は、お礼のために頭を下げているので、他人には見えていないはずだが、リスチーヌからは「頑張って」と声をかけられる。
「コンスタン様!ようこそお越しくださいました。もうここは我々のルグミーヌ王国の領土です。ムスターデ帝国のことなど気になさらず、ゆっくりなさってくださいね」
メンヒルト王女のコンスタンに対するいつもの猛アプローチを見て、ふと我にかえるリスチーヌ。
『私もジェロ様に対してはこう見えるのかしら』
その考えを読まれたのか、なぜかシタリ顔で頷いてくるネベルソンに腹が立つ。
「ルグミーヌ王国としては何をご用意すれば良いのでしょうか?」
王女によるコンスタンに対する態度から、このまま話が前に進みそうにないため、トリアウエが本題を確認してくる。
「ありがとうございます。避難民の受け入れをお願いしたいのです。とは言っても、そこで生活をさせるご支援をお願いするのではなく、単にルグミーヌ王国を通過させて頂きたいのです。費用負担なども無くて結構です」
ミュンハーフェンをジェロ達が実効支配したこと、ただそのまま維持できる見込みはないので国外に希望者を脱出させることにしたことなどを、コンスタンが自らの言葉で説明しきる。リスチーヌが補足する必要もなかった。




