ミュンハーフェンの攻防2
「みんな、聞いて欲しい」
ジェロはリスチーヌたち昔からの幹部と、ディートマルたちを呼び集める。
「特にディートマルたちには厳しいことを言うけれど、最後まで聞いて欲しい」
「「……」」
「ミュンヒ王国の再興は、少なくともこの地では無理だと思う」
「な!」
「グンドルフ!」「ジェロマン様、すみません。続けてください」
「うん。認めたくない事実ではあると思う。けれど20年も経ってしまったことや帝国との位置関係も良くないよね。だから、この地域で苦労している元ミュンヒ王国の住民を避難させることに注力したいと思う」
「では、このミュンハーフェンの占領、ミュンヒ城の籠城はどうするのですか?」
「うん、それは続けるよ。ただ、今のまま籠城を続けて負ける直前になってから避難を開始すると帝国軍に追撃されて悲惨なことになるよね」
「では?」
「だから、籠城は続ける。でも避難は早々に開始して貰う。この仲間たちの力があれば、住民たちも一緒に籠城しているかは関係なく、しばらく持ち堪えることはできるよね。で、守るべき相手がみんな避難して居なくなったときに、空を飛んででも逃げてしまえば良いんだよ。長く持ち堪えるほど、ラーフェン王国への増援部隊も阻止できるしね」
「ディートマル様……」
「我らがミュンヒ王国が……」
特に元ミュンヒの幹部たちは頭では理解できても気持ちでは納得できていない。しかし、ディートマルは以前から考えていたことでもあり、その先について言及する。
「ジェロマン様。では住民たちの避難先はいかがお考えでしょうか?ルグミーヌ王国が一番近いのでそちらを目指すのは分かりますが、その後は?帝国から逃して終わりでしょうか」
「まぁそんなつもりはないよ。希望するならば、開拓地テルヴァルデで受け入れることにする。でも、ルグミーヌ王国、ラーフェン王国、そしてコンヴィル王国でもどこでも希望するところに行って貰って良いからね。好き好んでこれから開拓する地に住みたいと思うかわからないし」
「おそらく実態を知れば、テルヴァルデを望むことでしょう。私は最後の王族として、国民が平和に暮らせるようになるまで頑張りたいと思います」




