ミュンハーフェンの攻防
ジェロがディートマルと話しているように、独立戦争に賛同して城にやってくる住民の数は少ない。来た住民も妻子と共に来ているものが多く、戦力になるのは100人いるかというところである。
ジェロが許可したとしてもこのミュンヒに止まれる最大の兵士数は100騎であり、そこに住民からの100人を足したところで、ミュンヒ王国の独立を勝ち取れるとは思えない。もちろんジェロ主従の魔法の力を使えば、今の帝国兵を何とかすることはできるだろうが、その後に独立を維持できる見込みがない。
ディートマルは覚悟していた現実を目の当たりにする。グンドルフたちもそのうち現実を認識するだろう。
ただ、住民を煽動した責任もあり、さらには城に来た住民たちからもミュンハーフェンの街の奪還はまだかと催促が始まっている。
「ジェロマン様、いっときでも結構です。ミュンハーフェンの帝国兵を何とかするのにお力を。ひいてはインラントなどラーフェン王国への帝国軍の増援部隊派遣の阻止にもつながるはずですので」
「ディートマル。そんな計算しなくても、今ここにいる帝国兵は何とかするつもりだったよ。大丈夫だよ」
「ありがとうございます」
ジェロにしても、ラーフェン王国への義理の話もあるが、ミュンハーフェンで知り合った若者たち、そしてディートマルたちのために何ができるかと思っている。
結果として、この土地にミュンヒ王国を再興することは現実的ではないと理解できた。やはり20年も経ったこと、強国ムスターデ帝国と近すぎる、というより既に帝国に組み込まれた地域であることなどが大きな理由になるであろう。
そうなると、少なくとも避難したい人たちを守ってこの地を離れさせることが次の目標となる。




