ミュンヒ城の奪還
ジェロが住民たちの声を聞いている間に、ディートマルたちがようやくミュンハーフェンの近くまで接近できた。流石に100騎が一緒にいると見つかる可能性があるため、近くの森に隠れながらも分散して待機している。
悪魔アグリモンたちを経由した念話で状況を理解したジェロが、リスチーヌたちと共に合流しに来た。
「なるほど。住民たち、特に若者たちは蜂起する気配はなくとも、他国への移民を希望しているのですか」
「いざとなれば開拓地テルヴァルデで迎え入れることは考えるけれど、ここから遠いよね」
「そう言っていただけるだけ感謝します。ただ、まずは作戦行動の後ということで」
ディートマルはそれが現実的と思っているのかもしれないが、グンドルフたちへの配慮か、まずはミュンヒ城を奪う方に注力すると宣言する。
「じゃあ、今晩に決行するね。まずは火魔法などで帝国兵の注意を引くから、丘の裏手から城の中に入り込んでいってね。けっこうあちこちで城壁が壊れているから入る隙間があるよ」
「悲しいことですが、今は幸いと思うことにします」
「コンスタンはルッツに乗って、敵の接近を排除するようにブレスを吐かせてね」
「承知しました」
「では≪飛翔≫のできる私たちも遊軍として?」
「そうだね、リスチーヌとアルマティはそうして。ネベルソンとサグリバスは、城ではなくミュンハーフェンの街の城門を燃やしに行って。絶対に人に怪我をさせたり殺したりしてはダメだからね」
「面倒なことを……」
「良いから言われたようにやるの」
ネベルソンはリスチーヌに頭を叩かれながら渋々という表情をしている。




