ディートマルの想い3
ディートマルの吐露も静かに聞いていたジェロ。
「うん、住民たちの想い、本心はちょっと様子を見ただけの俺たちだけでは分からない。みんなが実際にミュンハーフェンで確かめてくれるかな」
「ジェロマン様……」
「しかし、どうやって潜入しましょうか。準備もないまま王族であるディートマル様が戻られていると知られれば騒ぎになるだけですよね」
「うーん。怪我人を増やしたくないし……」
「ジェロマン様、元の王城を奪ってしまうのはいかがでしょうか」
「マドロール、どういうこと?」
「増援部隊を送り出したのでしたら、帝国兵は少ないのですよね。ならば街中を戦場にして被害者を出さないためにも、城を奪いこちらの100騎が立てこもるのはいかがでしょうか?」
「続けて」
「空を飛んで、ミュンヒ王家が戻ったことを街中に触れまわったときに、住民たちがどのような反応をするかもわかるかと。迷惑に思うのか歓迎するのか」
「そんなこと、歓迎されるに決まっています!ディートマル様が空から声をかけるのですから」
「グンドルフ、それがはっきりするということだよ」
インラントの街などのラーフェン王国に対して、ムスターデ帝国が増援部隊を送らせないための裏工作の意味も多分にあるということは皆が理解しているが、元ミュンヒ王国の幹部たちにすると、ジェロマンの力でミュンハーフェンを奪還するきっかけでもあると考える。力わざで兵士たちを殺すようなことをジェロマンが嫌がることは理解しているので、その作戦に乗るのが妥当と理解する。




