ディートマルの想い2
ミュンハーフェンに先に潜入して得られていた情報を引き続き皆に共有するジェロ。
「流石は我が騎兵隊」
捕まった騎兵2人が重要情報を漏らさずに時間稼ぎしている様子を共有したときには、騎兵の小隊長であるヤーコプが自慢げに言うが、
「早く解放してやれないですかね?奪うなど」
と言い出す。
「流石に強引に奪うと、彼らの家族にまで累が及ぶ。いっそ家族ごと連れ出さないと」
「ただその家族もこの地を離れたくないというかもしれないのだよな。話を聞いていると決定的な証拠もないからそのうち釈放される可能性も」
「何を消極的な。ミュンハーフェン、そしてミュンヒ地方そのものをミュンヒ王国として独立、復興させれば済む話ではないですか!」
「グンドルフ、ことはそう簡単ではない。確かにジェロマン様のお力をお借りすることができれば、街にいる帝国軍を一掃することはできる。ただ、いつまでジェロマン様の武力に甘えるのだ?ジェロマン様がコンヴィル王国に戻られたり、ベルカイム王国などに遠征されたりした際に、再び帝国軍に蹂躙されるのが目に見えている。その際には、反逆の罪で住民がもっと酷い目にあうぞ」
「ディートマル様……。では、ミュンヒ王国復興の夢を諦めるというのですか!?」
「すまない、今は何が正しいのか分からない。ジェロマン様のお力を目の当たりにする機会が多いほど、帝国軍にいる魔人たち、彼らのうち1人でもミュンヒに向けられたときに自分たちでは対処できないと思わされるのだ」
「ジェロマン様のお力ならば、その魔人を何人も従えられているではないですか」
「それで王国復興と言えるのか?独立国家と。ジェロマン様の庇護にすがっているだけではないか」
ずっと悩んでいたと思われるディートマルが心の内を吐露すると、彼の部下たちは言葉をなくす。




