ミュンハーフェンの牢屋
悪魔シトリーに命じた内容は、ネベルソンが構えるほどのことではなく、とらえられた騎兵隊の2人が無事か、また尋問になんて答えているかを見に行かせるだけである。
「で、そろそろ吐いたらどうなんだ?」
「って、もう分かったんじゃないですか?奴隷商人も来ていたでしょう?我々は戦争奴隷になっているんですって」
「あぁ、商人はそれを証明してくれた。だから、お前たちは帝国兵士ではなく誰かの所有物であり、帰還報告を帝国軍にする必要はない」
「でしょう?」
「じゃあ、その所有者は奴隷に何をさせようとしているんだ?」
「だから言っているじゃないですか。休暇で里帰りさせてくれただけなんですって」
「それが信じられないんだよ。どこの世の中に、安くない奴隷を入手しておきながら働かせずに里帰りなんてさせるヤツがいるんだよ」
「ですから、今のご主人様はそんな人なんですよ」
「信じられるか。お前たちが奴隷契約の抜け道をついて逃げて来たっていう方が信じられる。いやそれよりも、このムスターデ帝国のことを調べに、出身地に帰らせたという方が信じられるな」
「だったら、もっと諜報能力に長けた盗賊などの犯罪奴隷を使うでしょう?俺たち単なる兵士ですよ。俺たちが調べられることなんて、街中を歩いたら分かるような情報程度じゃないですか」
「だから分からないんだよ!」
「お願いしますよ。家に帰らせてくださいよ。せっかくご主人様から頂いた休暇で、旅費までくれて家族と会って来いと言って貰ったんですから」
「いや、まだ疑いが晴れていないお前たちを釈放はできない」




