ミュンヒ地方の先発隊2
ミュンハーフェンに先に潜入しているリスチーヌと魔人ネベルソン。
ネベルソンはもちろん角を隠すように布を頭に巻いた上で深いフードをかぶっている。その上で、今後の行動が楽になるようにとリスチーヌの指示で冒険者登録をさせられている。近くの森で適当に狩ったオークの死体を用いて、鉄級冒険者には格上げしてある。
それでも、冒険者ギルドや宿屋での行動から、ダメ男のネベルソンを拾ってしまった女冒険者リスチーヌという扱いをされている。
「あんたの日頃の言動が子供っぽいから、周りからもそう見られるのでしょうが」
その関係性に納得がいかないネベルソンは宿屋の部屋で愚痴っても、リスチーヌに言い負かされてしまう。そのような姿が他でも見られるからの扱いであるが、リスチーヌにすると男女二人組の冒険者が街に溶け込むにはそれでも良いと割り切っている。
「よう姉さんよ、銀級冒険者の腕があるならばあんな男なんかと一緒じゃなく俺たちのパーティーに来いよ」
「そうね、それも良いのだけど。元々私はパーティー活動に疲れて一人旅をしていたのよ。でも、行き倒れていたあの男を拾ってしまったからねぇ……」
「そんなヤツを捨ててしまって、こっちに来いよ」
「いや、あのダメなところがかわいいと思ってしまうようになったのよね……」
「ダメだ、こりゃ」
他の女性冒険者からもダメ男を捨てないと、と助言をされても同様の回答をすることで、ダメ男を好きになった女扱いになっている。
人というものは、隙のない相手には構えてしまうが、ダメだなこいつ、と見下した相手に対しては油断してしまうものである。
結果、リスチーヌとネベルソンの男女二人組はダメ人間との認定を受けたことで情報収集を行うのに相応しい立場を得られたのである。
で、二手に分かれてそれぞれ情報収集した結果を宿屋で意識合わせしているのであった。




