ミュンヒ地方の先発隊
「ネベルソン、どうだった?」
ミュンヒ地方に先に潜入しているリスチーヌと魔人ネベルソン。
さらに先発で送り込んでいた騎兵隊の2人が捕まっているのは、この地方の中心都市であるミュンハーフェンであり、その街に2人は潜入している。
「なんで俺様がこんな面倒なことを」
「いいから。で、何かわかったの?」
「本当にうるさい女だな。あぁ、捕まった2人はそれぞれの家族と食事をしているところを踏み込まれたらしい。酒を奢ったら、その密告者本人たちがペラペラとしゃべってくれたよ」
「やっぱり。帝国に組み込まれて20年もすればミュンヒ王国への愛国心が無くなった人も多いのかしら」
「いや、あいつは単に密告の小遣いが欲しかったガキどもだな。生まれて20年も経っていない感じだ」
騎兵隊2人の家がある地区はミュンハーフェンでも中心部、元々王城だった丘に近いところにある。彼らもミュンヒ王国が存続していた頃は王国軍で、しかも騎兵なので、一般住民よりは裕福だったと思われる。
ただ、帝国に組み込まれたあとは、大黒柱の男たちは二等国民の兵士として転戦させられて家に帰ることは稀であった。さらにその男たちが戦で死亡した場合には仕送りもなくなり家族も離散した空き家にはならず者が住み着く地区になっている。
そこに、ラーフェン王国との戦いで捕虜になったという噂もあったのに帰宅しているやつがいると気づいたから、街を治めている帝国兵に密告したという流れらしい。
もし捕虜から上手く逃れたとしても帰還報告もしないまま街にいるのはおかしいと帝国兵も考え、捕縛されたとのこと。




