ミュンヒへの部隊選定
ラーフェン王国の南部に対して、ムスターデ帝国が援軍を送る余力をなくすために、今は帝国に組み込まれた元ミュンヒ王国の再興騒動を起こすことにしたジェロたち。
「我々全員をお連れください!必ずお役に立ちますので!」
元王族のディートマルや幹部だけでなく約100騎の兵士たちもミュンヒ地方への潜入に志願してくる。
「とは言っても、先に行かせた騎兵隊員たちは捕まっているらしいし、敵である帝国領内でそんな目立つ数の移動はできないよね」
「それに、テルガニ家の戦力全てをミュンヒ地方に連れていくと、この辺りでのラーフェン王国軍の弱体化が心配ですよね。せっかく解放したインラントすら再び帝国軍に占拠される懸念も」
「うーん」
ジェロにすると、様子も見えない場所なので、ベルカイム王国に潜入したときのように少数で向かいたい。とは言ってもイドたちを開拓地テルヴァルデに置いてきたので、先に現地にいるリスチーヌ以外では、アルマティ、マドロール、コンスタンの3人だけが昔からの仲間である。
ディートマル、グンドルフ、ヤーコプ、アウレーリウス、カスパーの元ミュンヒの5人については悩ましい。100騎の兵士を残すならば、コントロールするために5人のうち何人かも残す必要があるが、残ることを希望する者などいない。戦争奴隷であるため命令すれば良いのだがそこまでするべきか。
別の悩みとして、テルヴァルデに残してきたイドたちに、ミュンヒ地方に行くことを伝えるか、である。もし伝えないと戻ったときに怒られるだろうし、伝えると子供が生まれたり家を建てたりするために残してきたのに、こっちに来ると言い出しそうだし。
『で、どうするの?』
『うーん、簡単に移動できれば良いのに』
『≪転移≫は失われた技術だからね。神級魔法だし』
『やっぱり存在はあるんだ。いつか習得したいね』




