インラントの防衛見込み2
ルネリエルを中心にインラントの防衛見込みについて軍議が開かれているが、良い案は出てこない。
「このまま街にこもってモーネ王女殿下たちが南部の街を順次解放していくのを待つ方法しかないのか?」
「いや、今回のインラントへの増援のように、帝国軍は南部の防衛は必死であり王女殿下の方も苦戦が想定されるため……」
「ならば、まずはこの街への増援部隊が到着して合流される前に騎兵部隊だけでも殲滅するというのは」
「いや、それではこちらの被害も大きくなる。帝国軍の方がもとの戦力があるため、我々は消耗を避けるべきである」
消去法でインラントの街にこもる案が有力になりそうではあるが、それをしたところで事態が好転する見込みは低い。
代官館で暗い雰囲気のまま交流会になりそうであったので、ジェロは砦に逃げ出してディートマルたちに状況を共有する。
「ジェロマン様、ムスターデ帝国が援軍を送って来られなくするのはいかがでしょうか?」
「ん?グンドルフは、ユニオール皇国を巻き込むことを言っている?」
「はい、それも良いのですが、皇国はここからではかなり東ですので……」
「グンドルフ、まさか」
「はい、ディートマル様。ここに近いミュンヒ地方で行動を起こせば、ラーフェン王国に対して将兵を送り込む余裕はなくなるかと」
「それって、ミュンヒの独立戦争を起こすということ?」
「はい、ありていに言えばそうです」
「内偵に送った者たちの情報も無いまま判断はできないけれど、この状態ではそれも一案なのかも……」
グンドルフに嵌められている気もするが、確かにありえる案かもと思いはじめるジェロ。




