インラントの防衛見込み
少しの戦闘はあったもののインラントの街に入ることができたルネリエルたち。
すぐに城門の上に駆け上がり戦況を確認していると、ディートマルたちも砦方面に逃げられた様子である。
「またしてもテルガニ伯爵主従に助けられたな」
「は、おっしゃる通りですね。彼らがいなかった場合、被害がどれほどあったか想像できません」
ルネリエル王弟に答える魔術師団のレーハーゲル副団長を憎らしく見るノイナイアー侯爵と騎士団のハーニッシュ副団長たち。彼らはジェロが活躍するほどモーネ王女が遠のくと思っており、今回のインラントの街の攻防でのテルガニ家への依存が気に入らない。しかし、事実を否定できるわけでなく何か発言して口を挟むネタもない。
一方の砦に逃げ帰ったディートマルたち。
「怪我人はこちらへ。急いで」
ジェロとアルマティが率先して回復魔法を使用して治療していく。
「ジェロマン様、そんなに焦らなくても。お陰様で大怪我した者はおりませんよ」
ワイバーンのブレスや強力な魔法を前提とした作戦であり、接近戦はしないように基本的には距離をあけていたので、怪我人も運悪く矢が当たった者だけであった。
治療も終わり砦も防衛体制が整った後は、ディートマルたちやロイスナー兄弟に砦は任せて、アルマティと共にインラントの代官館に≪飛翔≫で移動するジェロ。
「テルガニ伯爵、この度の働き、流石である」
「いえ、ロイスナー兄弟を含めてみなさんのご協力の結果ですので」
「さて、インラントの街に入ったのは良いが、この後はどうしたものか」
「まだ2,000騎以上の帝国軍に取り囲まれている上に、南方から歩兵や輜重隊などの大軍が迫っている現状は変わっておりません」




