インラントの戦争奴隷たち
エアライツの追撃を乗り切ったラーフェン軍はそのまま西に進みインラントに向かう。
「もう追っ手は来ないのですかね」
「テルガニ伯爵の魔法を見て、こう着状態を回避する罠だったと思っているのかも」
ルネリエル王弟が自ら行った陣頭指揮をほめたたえるお世辞が多い食事会。ジェロは面倒なので食事だけ受け取ってアルマティと陣の端の方で食べていた。
そして追撃がないままインラントの街の手前に到着する一行。ジェロが≪飛翔≫で事前に何度か確認していたように、帝国の騎兵が取り囲んでいるのは変わっていない。
「どうしますか?そのままインラントの街に入ろうとすると確実に戦闘になるでしょう。砦にいったん入り休息することも可能ですが」
「エアライツからの移動で士気も下がっている。いったん砦で落ち着いた方が良いだろう」
ルグミーヌ王国軍も含めて砦に向かう。構築中ではあるが、一番外側の堀や城壁などはだいたいできているため安心感が違う。ただ、流石に全数は入りきらないのでジェロ主従や最近に戦争奴隷にした者たちを中心に砦の外に陣をはる。
「オーティス殿、砦の構築が順調なようで助かった」
「は、ありがとうございます。私たち兄弟も含めてここの者たちは、もう今さら帝国には戻れませんので、いっそ戦争奴隷にして頂いた方が今後のことを踏まえるとありがたいです」
「もともとインラントの街を占拠していた3,000人程のうちどのくらい奴隷手続きは終わったのかな?」
「は。2,000人ほどは終了しております。そこに今回の騎兵が追加で来ていますので、1,500人ほどがまだ残っています」




