インラントの小康状態
「結局捕虜にできたのは600騎ほどか」
「それでも5分の1も減らせたのですから。こちらの損害はなしに」
落とし穴作戦で少しは帝国軍の数を減らせたが、この後にさらに大軍が来るとわかっているため安心できない。
当然、捕虜から得られた情報は守備隊トップであるレーハーゲル副団長にも共有してある。
「テルガニ伯爵、流石ですね。本当に助かっています」
「いえ、たいしたことには。それよりもこの後はどうされますか?」
「はい、困っております。もともと国境の街であるこの城壁は頑丈であり、城壁内に畑や井戸もあるため引き続き籠城を続けることは可能です。ただ、志願兵が中心ですと士気の維持もなかなか……」
「それにあまり長引くとエアライツの王弟殿下たちの方も心配ですよね」
「はい、そうなんです。いったん小康状態になりましたし、こちらの状況報告とともに様子を見て来て貰うことはできないでしょうか?」
ディートマルたち100騎とコンスタンのワイバーンはいったん砦にて待機して貰うことにして、ジェロはアルマティとともに≪飛翔≫でエアライツに向かう。
「おぉテルガニ伯爵、インラントの方はいかがかな」
「ルネリエル王弟殿下、街そのものは大丈夫です」
インラントに帝国軍3,000騎が取り囲んでいたという数のところで動揺の声が上がったが、600騎ほどを落とし穴作戦で捕虜にしたのとワイバーンなどで敵の士気を下げていることを聞いて安堵の雰囲気が広まる。しかし、その後ろにさらに大軍が控えていることを伝えると再び動揺の声が出る。




