ダンジョン付近の探索
翌朝、モージャンの街の冒険者が6人合流して来る。
ダンジョンは街に隣接しており、入り口もすぐ近くにあるため、その奥にある森への移動は徒歩になる。その森の探索は効率的にするために班分けをするのだが、モージャンの冒険者を1人含めるために6班、つまりガニーの冒険者は5人ずつに分けることになった。
御者も不要であり、馬車の拠点を作って防衛する必要もないため、メオン、バスチャン、ジェロの3人はその6班の中に適当に分かれて参加することになった。
今回は円形の探索ではなく、街やダンジョンを起点に長方形で奥まで探索する形で、5班がそれぞれ受け持った幅でまっすく奥に進む。
今日も念のために、昼に一度戻れるところまでを探索範囲と決めた。
ジェロは冒険者というよりギルド職員という立場のため、7人集団の最後尾を黙々と着いていく体にした。モージャンの女性冒険者リスチーヌが日頃から斥候役であるとのことから、先頭をお願いしてある。異変があった際には、地元の冒険者の方が気づきやすいという期待も込めてである。
先日までの街道付近のゴブリン退治と同様に、このエリアでもオーク数匹との遭遇率が異常に高い。
先頭のリスチーヌが接近に気づいた後は、弓矢などの遠距離攻撃ができる者とジェロが遠距離攻撃を行い、盾を持った者が前面に出るという定番のフォーメーションで無難に対応ができている。
『私の出番は無いわね』
『できるだけ目立たないように』
『あら、変な気配が……』
「あれは何?こんなところに洞窟は無かったはずですが」
ヴァルの気づきとほぼ同時にリスチーヌが従来との違いを申告してくる。




