エアライツ周辺
エアライツの街も平原に囲まれた街である。ただ、こちらもムスターデ帝国が近いことからそれなりの城壁の高さもあった。
「味方ならば頼もしいのですが、敵に利用されるとあの城壁が恨めしいですな」
「すぐに味方に取り戻さなくては」
ジェロが≪飛翔≫で、ルネリエル王弟を街の上空に連れて行き住民向けに発声させるが、ここでもインラントの街と同様であった。歓迎の声もあるが、遅いし見捨てていたのだろうという声もあがる。
夜にこっそり潜り込ませた者たちが酒場で仕入れた情報も似た感じである。しかもこの街の帝国軍トップは住民を大事にするよう指導しているらしい。
「南部の街では我々への不満が強いと覚悟していたが。仕方ない、一刻も早い解放を目指すぞ」
「は、承知しました」
「とは言うものの、ラーフェンに取り戻す前提であり、住民に被害も与えないやり方はどうしたら良いものか」
「インラントの街と同様に、テルガニ伯爵に活躍して頂いたら良いのではないでしょうか」
「そうですな、城門を焼き、誘い出したところを捕獲して貰いましょうか」
ジェロに不満があるノイナイアー侯爵とハーニッシュ侯爵に対して、いつもなら魔術師団副団長のレーハーゲル伯爵が方向修正していたのだが、彼はインラントの街で防衛役である。
「承知しました」
命令を聞いたジェロはそう答えておくが、少し悩ましい。
「同じ平原ではありますが、インラントのように街から見えないまま落とし穴を準備できるような場所はなさそうですが」
「そうだよね。工作できる、少し離れたところまで誘導するしかない無いかな」
「誘導役に負担がかかりますね」
「いえいえ、我らにお任せください」
「ヤーコプ、無理はするなよ」




