インラントでの捕虜
インラントを包囲するラーフェン王国の軍議において、さらなる作戦を求められているジェロ。
『もうこいつらが面倒だし、魔法で敵の兵士たちを焼き払う?こいつらも巻き込んで』
『いやいや、そういうわけにもいかないから』
「そうですね。今回数百人捕まえた捕虜の話を聞いてみたいですね。ラーフェン王国に来ていたムスターデ帝国軍は、帝国に支配された旧国の将兵が多かったようなので、うまく話を聞ければ」
「奴隷商人を1人だけ連れて来ているので、今回の指揮官らしき人物に対してテルガニ伯爵を主人とする奴隷契約を結ばせる許可を出しましょう」
「いえ、ルネリエル王弟殿下。ありがたいのですが、それは別の方がよろしいかと。捕虜にされた相手ですとどうしても感情的に良くない流れになると思いますので」
「なるほど、分かりました。官僚の誰かにさせるので、同行をお願いします」
ルネリエルが手配した奴隷商人と官僚と一緒に、武器を取り上げて拘束している帝国兵のところに向かうジェロたち。元の知り合いの可能性もあるのでディートマルとグンドルフも同行させている。
「これで戦争奴隷の契約手続きは終了です」
「お疲れ様です。残り数百人に対しても順次手続きができますか?」
「無茶を言わないでください。何十日かかるかわからない規模ですよ。はやくインラントの街を解放して、中の他の商人たちの力を借りられるようにしてください」
「そうですか、わかりました」
へそを曲げた感じの奴隷商人を見送る官僚。
「では、所属と名前から確認させて貰おうか。これは命令である」
気を取り直した官僚が、この騎兵隊の隊長だった感じの男に確認を始める。




