インラント外の罠3
インラントの街の周りは平原だが起伏はそれなりにあるため、この帝国騎兵500騎が罠にかかったことは街から見えていない。そのため、街にいる帝国軍は何が起こっているかわからず、騎兵という精鋭が500人も戻ってこない不安だけが広がっている。
一方、降伏して武器を取り上げられた騎兵たち。運悪く落下の際に首を折った者たちを除いて生き残った480人ほどが捕虜になっている。馬も骨折したものが多かったが、ジェロたちが治療することで騎乗できる状態に回復している。
「テルガニ伯爵、流石です!馬鹿にされることの多い土魔法でも、規模が大きくなればこのような成果を出せるのですね。ここに来ていない団員たちにも、属性に優劣などつけずに幅広く訓練するように指導します!」
「レーハーゲル副団長、今回はたまたまですよ。ですが、属性ごとに得意分野が違うだけで優劣はなく使い方が大事という考え方は賛成です」
魔術師団のレーハーゲルは素直にジェロたちの成果を喜んでくれるが、元々ジェロに不満があったノイナイアー侯爵と騎士団副団長のハーニッシュ侯爵は面白くなさそうな顔をしている。
「テルガニ伯爵、この度の帝国騎兵500騎への対応、ありがとうございます。代官館の備蓄庫を燃やしていただいたことと本件以外、まだほとんど戦闘らしき戦闘は始まっていなかったので、敵方の士気を下げるのにはかなり効果があったかと」
「ルネリエル王弟殿下、ありがとうございます。それでこの後はどのように?」
「おや、テルガニ伯爵は誰かに考えて貰うだけなのでしょうか?」
「ハーニッシュ副団長!門扉を燃やすこともテルガニ伯爵のご提案で、それを実行されてそれだけの成果を出されたところではないですか」
「まぁまぁレーハーゲル副団長も落ち着いて。ハーニッシュ副団長も悪気の発言ではなく、単に他に効果的な提案がないかを尋ねただけだろう」
「はぁ、ノイナイアー侯爵がおっしゃるのであれば……」
「で、テルガニ伯爵。何か追加のご提案はないですかな?」
結局のところノイナイアー侯爵もジェロが気に入らないので、ハーニッシュ侯爵と同じ立場である。




