インラントの包囲戦
「帝国軍は弱った感じがしないではないか!」
軍議で声を荒げるノイナイアー侯爵。
「は、代官館の備蓄庫を焼いたのは確かですが、不足を住民から徴集している模様です」
「なんだと!それではますます住民の不満が溜まる一方ではないか」
「はい、飲み屋での愚痴が包囲戦をしている我々に対して向けられることもあるようです。もちろん横暴な帝国兵に対して、の方が多いのですが」
ノイナイアーの顔がきつくなるのを見た官僚が報告を付け足す。
「かといって住民にだけこっそりと食料などを差し入れることは難しいし、できたとしても帝国軍に徴集されるだけでは意味がない……」
「このまま戦が長引くだけでは住民への影響が心配だな。テルガニ伯爵に城門を壊して貰うしか方法がないのではないか?」
「しかし、帝国兵がやぶれかぶれで攻めに転じて来たときこちらの兵力では……」
「そこもテルガニ伯爵にお願いすることになるのだが」
『なんだか土木工事屋さんになったみたいね』
『まだこういう使い方の方が、軍隊のど真ん中に攻撃魔法を打ち込むより気が楽で良いよ』
インラントの街から見えないところで、悪魔たちも含めて土魔法を駆使しているジェロたち。
「ジェロマン様、我々がご協力できることはないのでしょうか?」
「うーん、ディートマルたちは待機で大丈夫だよ」
「そういわれましても、侯爵家のご当主や幹部の皆様が働かれているのに」
「良いんだよ、ある意味でみんなが活躍する場がないということは、それだけ安全ということで」
「しかし……」
「じゃあ、戦馬に騎乗しているから逃げ足のはやい集団ということで、帝国兵をここに連れてくるおとりをお願いしても良いかな?」
「はい、活躍の場をありがとうございます!」




