ジークセンでの合流前3
コンスタンたちは戦馬が調達できた部隊であり、開拓地のテルヴァルデから南の山脈を越えて進んでいた。
一方、戦馬の調達が間に合っていなかった主に騎兵たちを率いたマドロールが、モージャン、ニースコンそれぞれの街で追加調達しながら王都ジークセンを目指していた。もともと騎兵隊で馬に乗り慣れていたこともあり、またコンスタンたちよりも人数が少なかったこともあってか、ステフェンの街あたりで合流できた。
「マドロール、助けて!」
「どうされたのですか?」
「グンドルフが、礼儀作法などを学ぶように厳しくて」
「あら、良いことだと思いますよ。ジェロマン様の重臣の皆様には順次しっかり習得していただくべきだと思っておりましたので」
コンスタンにすると味方になると思っていた、グンドルフたちより付き合いの長いマドロールにまで敵方になられてしまう。
この人数の部隊であり、街の中の宿屋に入りきらないことは分かっているため、街の外で野営をしている。マナー講習の場でもある夕食も終わったところでコンスタンは野営地の外れに来ている。
「ルッツ、ちょっと散歩しよう」
コンスタンは不慣れな礼儀作法講習の息抜きに、ワイバーンのルッツと空の散歩を楽しむ。
「ルッツ、お前も自由が良いよな」
従魔として縛り付けていることに心苦しさを改めて感じてしまったのであるが、地上に降りた後もルッツが顔をコンスタンに押し当てて甘えてくる。
「そうか、そうか……居たいところに居るためには、少しぐらいは環境変化に合わせて我慢するか……ルッツ、お前もいつまでも一緒にいてくれるか」
押し付けてくる顔を撫でると、もっと甘えてくるルッツ。
「散歩の機会、もっと作ってやるからな」




