ジークセンでの合流前2
一方のコンスタンはディートマルたちとともに戦馬の部隊を率いて移動中である。
開拓地であるテルヴァルデからそのまま南の国境の山脈を越えて、ゲンベラン、ステフェン、ルスハンの3つの街を通ってようやく王都ジークセンに到着するのである。
「ふぅ」
「コンスタン様、どうされたのですか?」
「こんな何十人も率いているのが……こんな感じで良いのだろうかと」
「コンスタン様、もともと立派な体格なのですから、しっかり背中を伸ばして前を向かれれば良いのですぞ。あなたがこの部隊で一番立場が上なのですから」
この部隊、ディートマル以下、いま声をかけて来たグンドルフたち全員が戦争奴隷である。初期からのジェロの家臣団の一人であるコンスタンは対外的にはやはり一番立場が上に見られるのは確かである。
「でも、ディートマルやグンドルフたちって元々は王族や貴族でしょ。俺は力自慢だけだった庶民だから」
「いえ、今はテルガニ侯爵家の重臣であることをお忘れなく」
「そうですよ。あのワイバーンを従えて、時にはそのルッツに乗る立場で、さらにはルグミーツ王国の王女にまで言い寄られているのですよね?」
近くで話を聞いていた、情報通であり立ち回りが上手い兵士が横から割り込んでくる。
「あ、それは!」
「何ですと!ではますますコンスタン様、この道中で色々としっかり学んでいただきましょう」
「グンドルフ、何か力が入っているな?」
「はい、ディートマル様。あのルグミーツ王国ですよ。我らがミュンヒの隣国であった。何がどうつながるか分かりません。ご縁があるというこのテルガニ家、そしてコンスタン様には何とか」
「そうか、コンスタン様が潰れない程度にな……」
コンスタンは元々読み書きも苦手だったのを、ジェロが色々と教えたことで、さらに魔法の習得までできたのであり、礼儀作法などは全く縁がなかった。それを短い道中ではあるが、それらに詳しい元ミュンヒで宰相の家系であったグンドルフ・ノールに指導され、当然に習得済みである王族であったディートマル・ミュンヒたちと共に食事を取ることで実例を学ぶことになった。




