出征準備3
自分たちだけのときにはもっと身軽だったのに、と思いながらラーフェン南部への出征準備を進めているジェロ。
「旧ミュンヒ王国の地方に様子見に行っている騎兵達は帰って来られないですよね」
「たまたまでも途中で合流できれば良いですが、ダメだったときにはガニーで留守番の私たちが事情を説明しますよ。きっと悔しがって後を追いかけると言い出すと思いますが」
「じゃあ彼らにも戦馬を買い与えて追いかけて来られるようにしてあげてね。イドに追加でお金を預けるから、お願いね」
また、ベルカイム王国にいるヒルデリン王子の付き人にした魔人二人の様子を、悪魔経由で確認する。
『ヴァル、どうやったら良いのかな?』
『昔に魔人アゼルフスとは、彼の悪魔グサイモン経由で念話ができたわよね。あれと同じよ』
『じゃあベルフールと繋いで。クリノームより話が早そうだし』
『何ですって!』
『え?クリノーム?』
『あら、クリノーム、ベルフール二人ともと繋いだ方が楽かと思って』
『ヴァル、遊んでいるだろう……クリノーム、すまなかった。で、二人に聞きたいんだけれど、ベルカイム王国の状況についてだ』
『私よりベルフールの方が上手く話せるだろうから』
『面倒を押し付けて……はいはい。分かれた後すぐに王都ルージャンは解放されました。しばらくは住民を慰撫したり軍勢を再編したりなどに時間がかかっていました。しかし、今は順次南の街を解放するために南下を開始しています』
『そうか。ヒルデリン王子はどんな感じだ?』
『ベルフールに懐いているわよ。優しく相手しているから』
『はい、何とか。それと南下にはアンネ王女とヒルデリン王子も同行しています』
『え!?そうか、神輿は相変わらずか。小さい子に可哀想なことを……』




