出征準備
ミュンヒの部下たちには騎乗に不慣れな歩兵や弓兵も多いため早々に練習を開始して貰う。日頃から乗りなれている騎兵が講師となり、まずは言うことをきく賢い戦馬に乗らせる。通常の馬より大きいため、目線が高くなる不安は大きくなるだろうが、どうせ戦馬で移動する前提であれば早めに慣れて貰うしかない。
その手配をしている間に、まずはガニーの冒険者ギルドのメオンに相談をする。
「そうか、ラーフェン王国の南部に100人規模の戦争奴隷を連れていくのか」
「はい、ラーフェン王国の伯爵という立場もありますが、彼らが日頃にいるのもコンヴィル王国側の開拓地ですし、私自身はコンヴィル王国の侯爵でもありますので……」
「そうだな、別の冒険者ギルド職員ではなく冒険者の立場を再び使うつもりで相談に来たのだろう?」
「はい、その通りです。彼ら全員に冒険者になって貰っていたので、冒険者クランとしてモーネ王女の依頼を受けるという形を取りたいのですがいかがでしょうか」
「まぁ理屈は通る。だが、その屁理屈だけでは納得しないところもあるだろうから、せめてガニー、モージャン、ニースコンの領主には個別で説明をした上で、王都にも一報することで面倒は少しでも回避しておいた方が良いだろう。ガニー領主には一緒に行ってやるから」
途中からジェロの顔を見て、仕方ないな、という顔に変わるメオン。
その勢いのままメオンに連れられてガニー領主に説明に向かうジェロ。
「そうですか、ラーフェン王国南部に。皆様がガニー南部で居ていただけるだけで心強かったのですが、残念です。ご無事なお戻りをお待ちしております」
「家臣たちは何人か屋敷に残しますので、何かありましたらその旨をご連絡くださいませ」
実は事前にヴァルから助言があり、屋敷にあるジェロの卓上に何か伝言があるかをハポリエルに時々チェックさせることで、ジェロが不在の際にも連絡が取れるようにするのである。流石に悪魔の存在まではガニー領主には言わないが、家臣に連絡がつくだけでも安心して貰えるだろう。




