ルネリエル王弟の企み
先ほどからモーネの顔ばかり見て会話をしているよな。姪としての贔屓目だけでなく、美人であることは確かだと思うが、以前に水をむけてみてモーネに惚れている感じではなかったのだが……
それにしてもまさかそんなに早くベルカイム王国の王都ルージャンに到着できるとは。嬉しい誤算であった。しかも魔人3人だったにも関わらず対処の上、そのうちの2人をヒルデリンの付き人に貸し与えてくれるとは。これで皇国関係者だけが周りにいることを回避できるし、ますますありがたいことだ……付き人の給金、報酬は別途相談だな。
しかし、そのままもう少し滞在してくれていれば良かったのに。そうすればきっと王都解放そのものにもテルガニ殿が貢献されるだろうから、そのことによりユニオール皇国の手柄を減らせると期待したのに。
ベルカイム王国はもともと皇国の属国のようであったが、国王、王太子、宰相などの中枢人物がムスターデ帝国の侵略時に亡くなったのであれば、ますます国家運営は皇国に頼ることになるであろう。
ベルカイム王家のアンネ王女と結婚してヒルデリンと二人でベルカイム王国を運営すると言っても、所詮は3〜4歳程度の二人なのだからますます皇国の言いなりであろう。
ラーフェン王国自体としては、まだ南部が帝国の占領下にあるなど、とてもベルカイム王国に兵や人材を派遣する余力はない。
テルガニ殿のお力で皇国一辺倒の雰囲気だけでも排除できれば良かったのだが。
後からの屁理屈でもあるが、テルガニ殿の領地の山脈を越えた隣地も安定している方が良いはずだろう……
しかし、我ながらずいぶんと自分勝手なことを考えるようになったものだ。帝国軍に幽閉されて変わったと思えば良いのか、国民に占領下で辛い思いをさせてしまったことから、自分が良い人であることに逃げることをやめることにしたと言えば良いのか……テルガニ殿には申し訳ないが、モーネを使ってでもラーフェン国民のためにもう一働きして貰わないと……




