モーネ王女と魔人2
ジェロは、ルネリエル王弟とモーネ王女に対して、ルージャン付近でヒルデリン王子たちを苦しめていたのは魔人3人であり、ここに居るのはその1人であることを説明する。3人とも捕らえて戦争奴隷にし、女性の魔人2人のクリノームとベルフールはヒルデリン王子の付き人に残して来たことも話す。
「なんと、魔人が3人も……」
「でもテルガニ様は流石です。その魔人3人ともを倒し、その上で捕まえたのですから」
「ご相談もなくヒルデリン王子の付き人にして来たこと、よろしかったでしょうか?」
「……確かに父王を殺したり国民にも多くの被害をもたらしたりした魔人には恨みがあります。ただ、同様に帝国兵にも恨みがありますが、帝国兵全てを恨んで戦争奴隷にまでなった敵の全兵士を皆殺しにするというのも違うと思っています。魔人でも同じことかと」
「モーネ王女、流石ですね」
「はい、それにそれだけ力のある魔人の方を2人もヒルの側にいてくれるならば、我々としても安心です。ラーフェン王国からの付き人はまだ到着していないと思いますので」
「そう言って頂けて幸いです」
ルネリエル王弟は何か企んでいそうなので、まだ慣れたモーネ王女の方ばかり見て話すジェロだったが、ルネリエルからも声をかけられてしまう。
「我々がお願いの使者を送ってからそれほどの日にちも経っていないのに、早々にヒルデリンのことをお助けくださりありがとうございました。こちら依頼達成のサインになります」
「は、ありがとうございます」
「もう少しルージャン付近に滞在されて、王都の解放までお付き合いされてもよろしかったのに」
「ヒルデリン王子の不安を解消したことを一刻も早くお伝えしようと思いまして」
『戦争に長く関わりたくなかっただけなのに、上手いこと言うわね』
『ヴァルは黙っておいて。精一杯、気を張っているんだから』
「それはありがとうございます。確かに幼いヒルが落ち着いたのだと安心できました」
モーネ王女からもお礼の言葉を返される。




