ルージャン攻め
「では行きますね」
「お願いします!」
ジェロはアルマティ、リスチーヌと共に≪飛翔≫で夜空に舞い上がる。灯りもつけずに静かに王都の城壁に近づいていた皇国軍を足元に見下ろしながら、城門の近くまで飛ぶ。
「じゃあ行くよ」
アルマティ、リスチーヌ、ヴァル、リバイモン、ハポリエルとそろって南の城門に火魔法で攻撃を行う。通常レベルを超える火力の多数同時攻撃である。金属で補強されていても基本は木製である門扉はひとたまりも無く燃え上がる。
「ジェロ様、やりましたね!」
「そうだね、これはやりすぎたかも。でもだいぶ帝国兵も混乱したようで、皇国軍も攻め入りやすいだろうね」
「では予定通り東門に向かいましょう!」
同様に≪飛翔≫で東門に向かうと、南門の騒動が伝わったのか城門の上で待機する帝国兵が多い。ただ、それに構うことなく同じように門扉に対して多数同時の火魔法攻撃をすると、こちらも燃え上がる。
「今度は北門ね」
移動を開始していると、ヴァルが警告してくれる。
『来たわよ!』
「みんな!注意して!」
アルマティ、リスチーヌのために悪魔3人とも姿を現させて、自分たちの前を飛ばせていた。悪魔たちが飛行を停止した後ろで同じように立ち止まっていると、≪氷槍≫らしき物が飛んで来るが、ハポリエルが≪結界≫で弾く。
「お前が噂のガニーの英雄か?」
近づいてきた男は推測通り左右のこめかみの上に角が生えた魔人であった。ただ想定外だったのはさらに後ろに2人も居たことである。
「おい、1人じゃなかったのか?」
「何をいう、お前も人間だけでも3人ではないか!」




