リブルドーからの北上
「やっぱり帝国軍の旗が立っているね」
「ジェロ様、皇国軍はどこに行ったのでしょうか」
リブルドーの街が魔物に襲われているのを見ても、帝国軍が守っているようなので放置して来たジェロたち。そのまま北上して王都ルージャンを目指しているのだが、途中で見かける街でも帝国軍が占拠しているようである。
「王都ルージャンで見かけたという魔人らしき戦力が帝国軍を後押しして皇国軍を撃退しているのかも。ますますヒルデリン王子が心配だから急ごう」
「はい」
特にリスチーヌが魔力回復ポーションを飲用しながらであるが、引き続き街からは少し離れた場所を≪飛翔≫して北上を続ける。
野営は遠くから見えない木々の中でハポリエルを見張りに立てることで疲労回復に努めながらである。
「ジェロ様、ようやく王都ルージャンですね。しばらく過ごした場所と言ってもこんな上空からだとだいぶ印象も変わりますね」
「そうだね。で、皇国軍はあれか。かなり離れた場所で陣取っているようだね。コンヴィル王国の軍勢が見えないなぁ」
「行ってみれば分かりますよね。もう少し近づいたら地上に降りましょう」
「何?信じられぬ!」
「そうはおっしゃいますが、逆にこんな男女3人だけで変な企みをできると思いますか?」
「それは……」
「とにかくラーフェン王国のヒルデリン王子殿下とお会いできれば判明しますから」
「怪しい奴を会わせられるか!」
皇国軍の陣地にはたどり着いたものの、攻撃まではされなくても取次をして貰える気配ではない。
「何を騒いでいる!」
「は!それが……コンヴィル王国の貴族だと名乗る男が3人だけで来ておりまして」
「あ、あなたは」「おい、本物だ。急いで中に案内差し上げろ」
皇都ナンテールからラーフェン解放に一緒に向かった軍勢に居た将官と思われる人物が許可してくれたおかげで、陣の中に案内して貰える。




