ベルカイムへの山脈越え2
「いや、だからハポリエルたちが見張りをするから、二人も寝てくれて良いんだよ」
「そうはおっしゃいますが……」
山脈越えの途中で夜を明かすことになり、野営の見張り当番の話で揉めている。
悪魔のことを告白したジェロにすると、昼間の≪飛翔≫に全力を出して貰うためにリスチーヌとアルマティにはしっかり眠って欲しい。確かに魔力回復ポーションがあれば、寝ることによる魔力回復が万全でなくても何とかはなるが、万が一に何かあっても困る。
『ハポリエル!』
人間サイズで姿を現した悪魔を二人に改めて見て貰うことで納得して貰う。
「では一緒に寝ましょうか」
リスチーヌがいつもジェロにかわされると分かって冗談を言ってくるのに、アルマティが顔を赤くしている。
「明日のためにもしっかり寝ようね。おやすみ!」
赤くなったアルマティを見て、自分まで赤くなりそうなジェロはそう告げて一人で寝る。
『良かったの?』
『良いんだってば』
『じゃあ私が一緒に寝てあげようか?』
『ヴァル!そのサイズでは冗談にならないから』
今までの自分の顔サイズであれば、ヴァルが横に浮かんでいても眠りにつけたが、人間サイズで横に近寄られてはジェロには無理な話である。
『あらあら、じゃあおやすみ』
以前の顔サイズに戻り、ジェロの顔付近に浮かぶヴァル。
『からかうなよ……おやすみ……』
安心感を得て眠りにつくジェロ。
リスチーヌはジェロの方をじっと見ていたが、そのうち横になり眠りにつく。
翌朝に目が覚めると、リバイモンが仕留めたと思われるワイバーンの死体が少し離れた場所に置かれていたことに驚くが、それは魔法の袋にしまい、そのかわりに適当な料理を取り出して朝食にする3人。




