ベルカイムについての使者2
ラーフェン王国から、ベルカイムについての使者と会話して事情を聞いているジェロ。
「ではなぜ?」
「皇国が言うには恐ろしい魔法の使い手が帝国軍の側に居るとのこと。皇国としては、他の地域でも帝国軍と競り合っているため強力な魔法使いを派遣するのは難しい。ラーフェン王国には王都ジークセンを奪還する際に活躍した魔法使いを抱えているのであるから、その魔法使いを派遣して欲しい。ヒルデリン王子の婚約者であるアンネ王女のためにも、と言うのです」
「それって……」
「はい、ラーフェン王国としてはムスターデ帝国軍を追い出していくのにユニオール皇国にも助けられているため強く出られず。そしてその魔法使いとはテルガニ侯爵閣下のことであるのは確かです。ラーフェン王国からも叙爵してしまったばかりに、コンヴィル王国の方であると言い張ることもできなくなって申し訳ないとルネリエル王弟殿下から」
「……」
「そして、おそらく帝国軍の恐ろしい使い手とは魔人のことではないかと、モーネ王女殿下からの言伝になります」
「確かに、ジークセンで戦った魔人アラトラスがベルカイム王国で皇国軍を相手にしたと言っていた……」
「ヒルデリン王子殿下は、ご自身は怪我をされていませんが、王都ルージャンの近くの野営地で心細くしておられるのではないかと」
「ラーフェン王国から人の派遣はできていないのでしょうか?ジークセンの奪還の後などからは」
「もちろん我々からも皇都ナンテールに向けて派遣していたのですが、ルージャンに向かう際には皇国以外の者は足手まといになると言われ皇都にて待機にさせられました……」
「そんな……」
ニースコンで姉のモーネ王女を助けてとヒルデリンが泣きついて来たときの光景が思い出されるジェロ。あのときはユゲットなどの知り合いが近くにいたが、現在はもっと一人寂しい思いをしているのであろう……




