開拓地での勤務者
開拓地の西側に作る森の中の街道の整備を、森の入口から南へ1km、つまり開拓地の幅分までを取り急ぎ行った後は再びガニーの街に戻るジェロ。
「ジェロ兄、私が手伝ってあげようか?」
屋敷に住んでいる孤児院の後輩エムことエマニックが、悩んでいるジェロに声をかけてくる。
「エム、ありがたいけれどヤンクイユ商会の方はどうするんだ?」
「ジェロ兄のところに転職するといえば理解してくれると思うわよ。でも、他の希望者も殺到しそうだから内緒にして貰うけれど」
「そうか。パスカエルさんだっけ?エムの上役や、ブリジョゼさんやジェリーヌさんには俺からも話をしておいた方が良いのか?」
「あの二人に会いたいの?」
「え!?いや、そうではなく礼儀として」
「そんなに焦らなくても良いわよ。気持ちはありがたいけれど、侯爵様に足を運ばせてしまうと相手が困ってしまうわよ。自分で言ってくるね」
「そうか?エムが手伝ってくれるのはありがたいけれど、一人だけじゃ足らないんだよな」
「そんなの、そろそろ見習いに行く年齢の孤児院の子達にすれば良いじゃない」
「でもフロ姉からは贔屓はダメだって」
「ちゃんと試験をして選べば良いのよ。読み書き計算とかね。それに、今この屋敷で家事手伝いをしてくれている子たちには100人分の料理の手伝いや掃除の試験をすれば」
フロラリーにも相談すると、確かに無条件で採用すると子供達のためにもならないけれど、ちゃんと試験をして基準を満たすことを確認できる子供だけを見習いとして雇うのであれば歓迎であると言ってくれる。
「でも、遠いのよね?」
「うん……」




