ディートマル・ミュンヒ
「彼がこの100人の隊長であったディートマル・ミュンヒです。まずは彼の主人の変更から行いましょう」
廃村に到着し、以前はレジスタンスのリーダーであるドナシアンと再会した建物で、役人から戦争奴隷と引き合わされる。
いかにも軍人らしい厳つさではなく優美な感じがあるとジェロは思ってしまう。
そして指示されるまま奴隷商人が、戦争奴隷の主人をジェロに変える手続きを行う。
「私はジェロマン・テルガニです。これからよろしく」
「え!?ガニーの英雄?」
ディートマルが声を漏らす。
「おや、ご存知でしたか?魔人からもそう呼ばれましたし、帝国軍でのあだ名もそうだったんですか?」
「はい……」
「では、手続きの続きを行いますよ」
わざとなのか空気を読まない感じの役人と奴隷商人が次々と手続きを進めていく。
「ところで、こちらの装備類はラーフェン王国にお渡ししなくて良いのでしょうか?」
「彼らの装備、馬、この廃村にある食料など全てテルガニ伯爵へ一緒に引き渡すように指示を受けております」
「そうなのですね。ありがとうございます」
受け取りのサインをジェロが行っている建物の外で、戦争奴隷の中でも良い装備の者たちがミュンヒを取り囲んでいた。
「口惜しく……我らが至らぬばかりに」
「そういうな」
「帝国の二等国民にさせてしまっただけでなく、今度は関係ない国の成り上がり貴族の奴隷になど……」
昔に斥候役だったリスチーヌが何事かと様子を見ていると、一部は泣いているようである。
すぐにリスチーヌから話を聞いたジェロ達。
「何か事情があるということか……」




