近隣領主への挨拶3
コンヴィル王国内で残るのはニースコンだけである。ガニーの街から直通の経路はないのでモージャン経由になるが、戦馬バトルホースであれば2日程度の行程である。
「ジェロ様、ここのギルドマスターにも同行を頼むつもりですか?」
「いや、多分無理だけど、先に挨拶だけでも……」
「仕方ないですね」
レナルマンも仕方ないと言う顔で、ニースコンの冒険者ギルドに付き合ってくれる。
「これは、ジェロマン様。いえ、テルガニ侯爵閣下!どうぞこちらへ」
「アンセルムさん、そんな仰々しくしないでください」
「いえ、そう言うわけには。Sランク冒険者でもある侯爵様に。それに、ニースコンの街から帝国軍を追い出すのにもご活躍頂きまして」
「その後はいかがですか?」
「はい、復興はまだまだですが、先が見えなかったときに比べれば。皆の笑顔が戻っております。それもテルガニ閣下のおかげです」
「いえ、それは皆さんの頑張りのおかげですよ」
ギルドマスターのアンセルムは、ラーフェン王国のモーネ王女、ヒルデリン王子をジェロ達に引き合わせてモージャンへの逃避行を行うことになったきっかけの1人である。
ニースコンに近い領地を得てこれからはガニーの出張所を作っていくつもりであることを伝えると、いろいろとザールの意図も理解されたようである。
しかし領主のところまで同行を希望する意図までは伝わらなかったようで、結局はジェロ主従だけでシャヌール・エロー・ニースコン男爵を訪問する。
「テルガニ侯爵、ニースコンの奪還を実現して頂きまして誠にありがとうございます。お礼が遅くなり申し訳ありません」
「いえ、皆様の働きの結果ですので。それで、この度、この近くの領地を任されることになりまして」
「はい、伺っております。テルガニ侯爵のように頼もしい主従がお近くになれば、前のようなことも起きないと安心です。ぜひよろしくお願いいたします」
コンヴィル王国内での近隣領主への挨拶周りは幸い無事に終わったようである。
次はいよいよラーフェン王国に向かうことになる。




