王都ミューコンへの出頭3
まさかユゲット達が馬車ではなく馬での移動に合わせてくれるとは思わず驚いているジェロ。
「テルガニ伯爵、どうかされましたか?」
エヴラウルやジョジョゼなどが集団の前を進み、中程にはジェロとユゲットが並び、そのすぐ後ろにユゲットのお付きのジャクロエとリスチーヌが、さらにその後ろにイドやコンスタンが、という並びで街道を進んでいる。
「いえ、先行したマドロールたちは良い宿を確保できたかなと思いまして」
「ですから、私たちも今は騎士もしくは冒険者相当ですので、普通の宿でも。いえ、屋外での野営でも大丈夫と申し上げておりますのに。こちらの魔法の袋に準備はして来ていますので」
「そうはおっしゃいますが、子爵令嬢のユゲット様達にそのような」
「いえ、テルガニ伯爵家の御当主のジェロマン様のお好みに合わさせて頂きますので」
『うーん』
『あらあら、なかなか健気なところがあるわね、この娘』
『いやいや、貴族だから本当のところでは何を考えているか……』
『……』
今までと同様にリスチーヌがそれなりに盾になってはくれるが、ユゲットからはどちらかというと押し付けのアプローチは減って来た気がしているジェロ。
さすがに10人規模の、しかも体格の良い戦馬バトルホースにまたがる集団に対して、魔物や盗賊の襲撃はないまま王都に近づく。
「ここって」
「そうですね。モーネ王女達を護衛して初めて王都に向かった時に襲われたところですね。少し先は魔人を撃退された河原が」
ジェロは魔人アゼルフスや、そこで仲間にした悪魔ハポリエルのことよりも、そこで入手した古代魔術≪雷撃≫の魔法カードを入手した喜びの方を思い出している。




