王都ミューコンへの出頭2
「そうか、王都へ向かうか。ベルカイム王国への出兵に同行しないならば良いタイミングかもしれないな。王都の冒険者ギルド本部にも顔を出しておいてくれな、立場的に」
モージャンで冒険者ギルドのマスターであるアンブリスに会うとアドバイスを受ける。
「いよいよ王都へ行かれますか。我々もご一緒できれば良いのですが、足手纏いになりますし。王都の店舗で、気に入っていただける魔法カードなどを取り置き出来ていれば良いのですが」
ある意味で御用商人となっているアナトマのところにも顔を出してから、事前連絡をしていたモージャン領主館に向かう。
「テルガニ伯爵、王都への同行にお声がけいただきまして光栄でございます」
「いえ、お約束でしたので」
「もう少しお待ちくださいませ」
『まさか』
いかにも貴族令嬢のドレス姿のユゲットが応接に現れて挨拶を交わすが、嫌な予感がする。
「これはテルガニ伯爵、ご無沙汰しております」
「いえ、モージャン領主様、こちらこそ。また外交使節団などの折にユゲットお嬢様には大変お世話になりまして」
「いや、テルガニ伯爵のおかげで色々と助かったと聞いておりますぞ。この度は王都へ向かされる時にも同行させていただけるとのこと。どうぞよろしくお願いします」
「では、もう少しお待ちくださいませ」
ユゲットが自身の両親を残してジェロ達の相手をさせてどこかに出ていく。
ジェロが胃を痛めながらモージャン領主夫妻との会話、しかも何かとユゲットを差し出すような表現をしてくるのを回避する苦労をした後、ユゲットがお付きのジャクロエと現れる。
「ユゲット様?」
「きっと馬車の旅ではなく騎乗での移動がお望みかと思いましたので。私たちも騎士の訓練を受けておりますので、足手纏いにはなりませんよ」
貴族令嬢らしからぬ、冒険者的な装いに着替えた2人。
「では、お父様、お母様、行ってまいります」
「うむ。テルガニ伯爵のご迷惑にならないようにな」




