ルージャンでの某王太子たち
「これがベルカイム王国の王城なのか。意外と質素だな」
「そうか?ラーフェン王国の王城も、最近は装飾品を集め出したがこんなものだったぞ」
ベルカイム王国の王都ルージャンにある王城で会話をしているのは、コンヴィル王国の元王子のギャストルとラーフェン王国の王太子のオンハルトである。
ギャストルはニースコンの街がムスターデ帝国の手からコンヴィル王国に取り返される前に、魔人アラトラスにより運搬されていた。ラーフェン王国内に置いておいても扱いに困るし、帝国本国に送っても使い道が想像できないため、ベルカイム王国に侵攻しているオンハルトとセットに管理することになったのである。
魔人アラトラスの貢献で帝国軍はリブルドーだけでなく王都ルージャンまで北進することができており、そこにオンハルトとギャストルも同行して来ていた。
「まぁ、ベルカイム王国はユニオール皇国の属国みたいなもので、あまり豊かでなかったのだろう」
「ラーフェン王国も建国から貧乏暮らしだったのを父王から、王家には見栄えも必要だと金をかけるようになった程度だからな。歴史のあるコンヴィル王国ほどではないだろうな」
「ところで、このベルカイム王国のアンネ王女と結婚して、という帝国の話はどうなったんだ?」
「その話自体、俺は納得が行っていない。俺はラーフェンを支配するはずの王太子なのに、なぜベルカイムをアンネとかいう幼女と治める話になるのだ」
「は!ラーフェン王国では王女や前国王の弟が人気で、しかも帝国が押されているからじゃないのか?」
「ならばなおさら帝国から王太子の俺を取り返しに来るべきだろうに。そういうお前だって勘当されて王子でも無くなったのにここで燻っているではないか」
「……やめようか。互いに母国からの扱いには期待できないのだから」
「……そうだな」




