屋敷の部屋割り
「なんか他人の家にいるような感じで落ち着かないよ」
ジェロは本邸の食堂で一番端に座っての最初の発言である。
家臣達と一緒の邸宅は、ユニオール皇国の皇都ナンテールに購入した物があるが、あちらはこれほどの規模ではなかった。
「でも、こちらが正真正銘、ジェロ様のお屋敷ですから、これから慣れて頂かないと」
「そうだよね。で、みんなの家や部屋も決めようか。イドの家だけは、ここに一番近いところって先に決めていたけれど」
「その隣はレナルマンだよね」
「よろしいのですか?早速、彼女を呼んできても?」
「他国に行って長く待たせてしまったことも謝罪して貰って。ぜひ連れて来て」
「ありがとうございます!」
その隣はエヴラウルとジョジョゼの家かとジェロは思っていたが、2人の方を向いても特に反応は無い。
「じゃあ残りは従業員棟に一部屋ずつ割り当てるかな?上半分を女性用に分けたら良いのかな?」
「それが……」
「どうしたの?」
「実は、エマニックさんという方が既に住まわれています」
「え!?」
「日頃は商会で働いているのですが、休みの日などは掃除を手伝ってくださったり、孤児院の方を手伝われたり。フロラリーさんからも伯爵が戻られる前に勝手にしてはダメよと仰ってましたが、お知り合いだと分かりましたので。やはり問題だったでしょうか?」
「エムが?まぁ良いんじゃない?部屋も余るだろうし、孤児院を卒業した子達が働いてくれるようになるきっかけになるかもしれないし」
「それと……」
イドの奥さんに預けたお金の残りと言って差し出してきた布袋。ほとんど使われていない。ガニーの住民が帝国軍を撃退したことや復興のお礼と手伝ってくれたこと、領主からも報酬の一部であるとのこと。
「明日には領主のガニー男爵のところに伺わないとダメですね」
マドロールに念押しされる。




