久しぶりのモージャン3
「これは、テルガニ伯爵!ようこそお越しくださいました」
冒険者ギルドのアンブリスのところに顔を出した後は、商人アナトマのところにも立ち寄る。
「伯爵にまで陞爵されたとのこと。誠におめでとうございます!」
モージャン子爵の屋敷にも出入りする商人であり情報入手は抜かりないようである。
「いえ。それよりも、ベルカイム王国からお送りした手紙、うまくお伝え頂いたおかげで大変助かりました。本当にありがとうございました!」
「とんでもありません。私には、どうぞなんでもお申し付けくださいませ」
「テルガニ伯爵、こちらなどいかがでしょうか?」
少し雑談を交わした後、同席していたアナトマの娘であるリリアーヌが古代魔術の魔法カードと魔導書を差し出してくる。
「これは!」
『あらあら、良かったじゃない』
同席していた家臣達も、ジェロのあからさまな態度に苦笑いである。
「はい、帰国をお待ちしている間に見つけていたものですが、我々には読めません。ただ、以前から気にされていた複雑な方の魔法関係のようでしたので。いかがでしょうか?」
魔法カードは既に所有していた上級土魔法の≪泥沼≫と、中級土魔法ではあるが珍しい木魔法の≪根縛≫の2枚。
魔導書は中級ゴーレム魔法の≪石人≫。そして念願の付与魔法の初級≪炎付与≫と中級≪刻石≫であった。
リリアーヌが入手経緯などを説明したりそこから会話を広げたりしようと頑張っていたが、このようなものを目にしたジェロが上の空になることはアナトマも家臣側もわかっており、十分な金貨を支払い適当なところで退席することになった。
その日はそのままモージャンの街の宿に泊まり、翌日はいよいよガニーに向けて出発である。




