報奨の魔法2
≪鑑定≫を修得した後は、部屋を出て家臣達と街の魔道具屋に急ぐ。
その道中で、彼らの装備品や魔道具などを改めて鑑定させて貰い、習熟の訓練としながら、その内容の再把握結果を仲間にも共有していく。
「羊皮紙と魔石を砕いて混ぜられたインク、それと魔法カードのサイズの用紙もください」
「はい、いらっしゃいませ。羊皮紙は各種取り揃えていますよ。魔石のインクも少しは。魔法カードの用紙は需要が少ないのでうちでは扱っていないですね。王都でもどこで買えるか……。この使用後の魔法カードなら捨て値で販売していますけれど」
「それぞれの違いは?」
「羊皮紙はご覧のように素材、魔物や獣の種類に大きく依存しますね。分厚くて硬いものも、薄くて軽いものも色々ですね。魔法のスクロールの用途はほぼなくなりましたが、公文書や貴族様のお手紙、商人同士の重要契約など、まだまだ用途はありますので」
「インクは?」
「インクも、魔石の元になった魔物の違いによりますが、こちらはそれほど効果に違いもないので、どちらかというとインクの色、青っぽいか真っ黒に近いか等の違い程度ですね」
スクロール用途としては薄くて軽い物の方が丸めやすく持ち運びも楽なのでそれを、そしてインクは好みとして真っ黒に近いものを、魔法カードは使用済みのものを“大人買い”は我慢して種類ごとに少しずつだけ購入する。
ジェロは、子供達が小遣いで使用済みカードからコレクションを開始することを認識しているため、魔法カードのコレクターの裾野を減らさないように我慢したのである。
再び自室にこもり、各種素材の≪鑑定≫を行った後にスクロールや魔法カードへの挑戦をする。
羊皮紙にジェロが修得済みの魔法陣を、魔石を砕いて混ぜられたインクで書いてみたものに魔力を込めると期待通りに魔法が発動する。これでジェロが修得済みの中級以下の魔法を家臣達が覚えるのも楽になると期待できる。今まではスクロールか魔法カードが販売されていないと難しかったからである。
しかし、次は挫折してしまう。スクロールはそこそこの大きさがあり魔法陣を描くこともできたが、魔法カードは小さい場所に複雑な魔法陣を上手く手書きすることができず、何度か練習した程度では成功できなかった。
『羽根ペンのペン先の工夫と、米粒に文字を書く練習でもしようか……』
『後者はわからないけれど、まぁ頑張ってね』




