王都ジークセン3
「なるほど。その王女の声かけも冒険者達の送り込みも、私の元部下の彼が行ったようですな。不出来な男でしたがお役に立てたようで良かったです」
ドナシアンが微妙な発言をするので、フェリック王太子が言葉を続ける。
「こちら北西方面からは、レジスタンスの事前準備もあり、街中に潜伏していた彼らが住民を誘導することで、事前に把握していた帝国兵の拠点や動きを抑え、戦闘は限りなく少なくなるように街の解放をして来ました」
「両ルートとも、ラーフェン王国の国民の被害を極力少なくなる方法で解放をして頂き、誠にありがとうございます。その双方のやり方をこれから、まずは王都に対して実施いただくことで引き続き被害を抑えて頂けましたら大変ありがたいです」
両者が牽制しあっているため、モーネ王女が話をまとめに入る。
具体的なことは実務者同士を交えて、と解散の流れになったところで、フェリック王太子がジェロに再び近づいてくる。
「ガニーの街を救ったことなどしっかり報わせて貰うと父王も宣言している。ギャストルからの被害の賠償も兼ねて。伯爵への陞爵であったはずだが、このラーフェン王国解放への貢献を踏まえるとそれでも不足であろう。詳細はこの戦が終わり帰国した際に」
「はぁ」
まともな返事もできないまま頭を下げるだけのジェロ。
「まぁ引き続き頑張れよ」
と会いたく無かったドナシアンからの言葉にも返事はできずそのままモーネ王女と共に退出する。
明らかに気疲れの様子で戻ってきたジェロを心配する家臣達。
「それは素直に報奨というより、これだけ活躍しているジェロ様の引き抜き、特にラーフェン王国やユニオール皇国から、に対する牽制かと考えるべきかもしれません」
『もう面倒は早く終わってガニーに帰りたい』
『ならば早く戦争を終わらせないとね』




