ザーローネの街3
「それって酷くないですか?」
「いえ、逆に好きにして良いと言質を取られたのですから大成功ですよ」
モーネ王女と共に仲間達のところに戻ったジェロ。話を聞いて憤るユゲット達に対してマドロールが冷静に判断する。
「私たち、一度はラーフェン王国内を潜伏して進んでいますよね。そのときに分かったことは、ムスターデ帝国としてもラーフェン王国の支配に対してそれほどの人員を配置できていないということです。例えば各街で巡回する衛兵などはほとんどラーフェン王国の者を継続利用しており、たまに帝国兵を見かける感じでしたよね。
帝国軍は今ベルカイム王国に侵略していることを踏まえると、私たちが通過した時よりもさらに少ない可能性が高いかと。もちろん国境のこのザーローネの街には最低限の数は残しているでしょうけれど、それでも指揮命令系統のトップ層が中心ではないかと」
「なるほど。それは分かったけれど、それと王女の声かけとは?」
「はい、つまり王女が姿を現しても本気で追いかけて来られるのは極少数ということです」
「そうだろうね。え?まさか」
「そうです。≪飛翔≫で城壁内に入ってしまってください。またジェロ様の風魔法で、モーネ様の声を拡散させてできますよね」
「それってとても危険じゃないですか!」
「いえ、大丈夫です。私のことはテルガニ子爵が守ってくれますよね?」
ユゲットの発言を制してモーネ自身がやると決めてしまう。
「分かりました。空の護衛は私にも任せて貰いますからね!」
何とか≪飛翔≫を修得したリスチーヌがジェロとアルマティの顔を見て宣言する。
『俺の意見は聞いて貰えず決まっていく……』
『まぁ良いんじゃない。頼りになる家臣達ということで』
『……』




