その頃のリブルドー
ベルカイム王国で、ムスターデ帝国軍を迎え撃っている最前線であるリブルドー。そこに5,000人の援軍を率いて来たユニオール皇国軍のサンディ・アデール将軍。
「そうか、ようやく到着したか」
ベルカイム王国の王都ルージャンから2,000人の騎兵が到着したとの連絡である。
「はい、まず足の速い騎兵だけですが、この後にはザカリー王太子が率いる本隊が南下して来ています。その後には兵糧など輜重車も続々と来る予定です」
「よし!皇国も、ラーフェン王国との国境にモーネ王女を神輿に増兵するという話もある。これで何とかこのリブルドーの防衛にも目処がたったか」
帝国軍10,000人に対して元の守勢が衛兵や民兵を集めても1,000人程度であり、城壁なども貧相であり頭を抱えていたアデール。それでも成り上がる野心を胸に、この難局を凌いできた。
精鋭である皇国兵に、近くの森から木々を切り出させて臨時の陣営を構築し、数少ない魔法使いにも土魔法で土塁や堀などを作らせている。
持参した軍資金を用いて、街から魔法カードを買い占め、必要に応じて使用させることで、魔法使いの不足に対応している。
「用兵が下手な部隊が居るのは罠かと思っていたが、どうも本当に愚物のようだな。帝国も、血筋やコネだけで実力がない者が上の立場にいるのかもしれないな。是非とも良いように使わせて貰おう」
家柄やコネだけで出世していった奴らを見返してやるというつもりのアデールにすると、まさにラーフェン王国の王太子という血筋だけで立場を与えられている事実を知れば、きっと狙い撃ちにすると思われる部隊のことである。その帝国軍の一部の部隊が足を引っ張っていること、ベルカイム王国の元騎士団の裏切り者達もある程度は捕まえることができたことなどのおかげで、何とかリブルドーの街の陥落を防いでいた。




