リブルドーの街
ジェロたちがユニオール皇国の皇都ナンテールでダンジョン攻略を進めていた頃、皇国軍がベルカイム王国に侵攻しているムスターデ帝国へ攻撃を開始していた。
ベルカイム王国の南部、ラーフェン王国との国境から攻め入り、北の王都ルージャンを目指していた帝国軍に対し、東から進軍した皇国軍がぶつかった形である。
モーネ王女たちがパレードをしながら王都ルージャンを出発して皇都ナンテールに移動した経路を逆に皇国軍が進軍したのである。
ベルカイム王国の最南端ローニャックの街、ワコローズの街から北上して王都ルージャンに目指す南北の街道と、皇都ナンテールから西進すると交差するリブルドーの街での交戦である。
帝国軍、そしてベルカイム王国でも騎士団たちが帝国を迎える事前準備をして来たことに比べて、皇国軍は急拵えでの進軍であったので、色々と不足がある。
ただ、その両軍勢が衝突したのは、まだ帝国軍に陥落される前のリブルドーの街であり、守勢のメリットを活かすことで耐え忍んでいる。
「どういうことだ。ラーフェン、そしてベルカイムと、遠征の遠征になる帝国軍に比べ、当方は皇都からまっすぐ戦場に向かえたのであれば優位ではないのか?」
「は、その通りです。ただ、いかんせん急拵えであったこと、そしてベルカイムの騎士団の多くが帝国側に裏切っていることが……」
「ええーい、言い訳は良い。何か策は無いのか!?」
あまり芳しく無い戦況を聞いた皇城での議論である。
「申し上げます!ベルカイム王国からの使者が来ております。帝国軍の勢いを恐れた王家が血筋を残すためか、アンネ王女殿下を皇都に向かわせているとのこと」
「何と弱気な。あの国には王太子のザカリー殿がいるよな」
「は、ザカリー王太子殿下は王都で迎撃軍を率いるべく先頭に立っているよし」
「そうか、ランソンヌの街から山脈を超えてくる経路でアンネ王女は来るのだな。迎えのものを行かせろ」
「は」




