皇城での外交使節団
まずは通り一遍の挨拶で始まった、ユニオール皇国の皇城での外交交渉。
モーネ王女も今までのように、いきなり救援を切り出すことはなく、外交官のムラン達が丁寧な挨拶を交わし、背景説明をするのに任せている。
「さて、宰相エマリー、騎士団長ブルドン、魔術師団長トルブレよ。隣国ラーフェン王国がムスターデ帝国に占領されている状態を我らがユニオール皇国は見逃して良いものであろうか?」
「は、皇太子殿下に申し上げます。我らがユニオール皇国はムスターデ帝国と随所で交戦状態にあります。これ以上戦線を広げることは皇帝陛下が病床の折に好ましくないかと」
「何をおっしゃる、宰相閣下、我らが黙認状態にあることこそ帝国をつけ上がらせることだけでなく、他の戦線での立場の低下につながることかと!」
「ブルドンよ、そうは言うものの兵站などを踏まえると」
「宰相閣下、我ら魔術師団もまだ余力はございます。せめてラーフェン王国およびそこに近いムスターデ帝国との国境付近に増兵頂くことで十分な牽制にはなるのではないかと」
「トルブレ団長まで。そこまで弱気ではなく国境を越える勢いを見せつける必要が!」
「ブルトン、そなたの熱意は良くわかった。また皆も皇国のことを考えての意見、ありがたく思う。父上には、まず国境の増強を打診して参ろう。結果は追って申し伝える」
「「「はは」」」
「と言うことで、モーネ王女、しばらくお待ちいただけるかな。またご連絡させて頂く」
「は、ありがとうございます」
ジェロは最初から頭を下げたままではあるが、コンヴィル王国での似たやりとりが事前に仕組まれていたものであったことを踏まえて、これも国を運営するためには必要なお芝居なのかと思って聞いていた。




