皇都での邸宅
皇太子殿下から受領した金銭はジェロたち主従で分けるようにモーリートからも言われており、部屋に戻ってから布袋を開く。
やはりか、と思うように皇国の魔銀貨が数枚であった。前世記憶との対比で言うとミスリル貨1枚は1億円相当ほどの価値である。確かに大国の国家運営から考えると、ワイバーン5体という災害に対して被害を抑えたのであるから、それなりの金額というのもわかるが、これが個人資産にとって微々たるものだという大国の皇太子の資産規模に改めて呆れる。
モーリートとも話をして、宰相ドゥネーヴからの依頼は完遂と認められた。モーリートは王都ルージャンに戻り宰相に報告するという。
そうなると当然にジェロたちはいつまでもベルカイム王国の屋敷に滞在する必要もなくなるので、適当な宿屋を探すことになる。モーネ王女たちの合同使節団が馬車でやってくるまでになるので、それなりの日数と思われる。また、自分たちの戦馬バトルホースを何頭も預けられる馬屋が必要となる。
「いっそのこと、適当な邸宅を購入されるのはいかがでしょうか?」
「え?そんな簡単に」
「いえいえ、経済的には余裕がありますよね?もうベルカイム王国の依頼は完了しており、金級冒険者か王国貴族かどちらかの立場で皇都に滞在されることになりますので、あまり安い宿に泊まり続けられるのも……」
「そんなに長居しないと思うし」
「大丈夫です、不要になる時に売却すれば良いのですから」
マドロールの思考に追従するリスチーヌとの2人に押し切られるジェロ。
ベルカイム王国の屋敷の方にはお世話になった旨のお礼を言い、落ち着き先が決まればそれを伝えにくることだけは約束させられて退去する。




