外交官ムランとカルカイム
外交官のムラン伯爵とカルカイム子爵は王都ミューコンからモージャンに到着し、モージャン子爵から、テルガニ子爵がモーネ王女と共にベルカイム王国の王都ルージャンにて待っているという情報を得たところである。
「それは吉報!急ぎサンレーヌの街、そして国境を越えてルージャンに向かうとしましょう」
「はい、ヒルデリン王子の馬車、帰りにはモーネ王女もお乗りになられる馬車のご用意もできております。さらに、ラーフェン王国のレジスタンス拠点にお世話になっていた外交官僚、使用人達もモージャンに来ております」
「それは良かったです。ありがたいです。辛い目にあったので本人達の意向を確認し、可能であれば一緒にルージャンに向かうとします」
「カルカイム子爵、何としても今度のルージャン行きは成功させないと」
「分かっております、ムラン伯爵。如何にギャストル元王子の指示であったとはいえ、交渉術に期待される外交官の我々がお止めすることができずに悲惨な結果になったことからの、王都での皆からの冷たい目線……ルグミーヌ王国との外交成功はやはりテルガニ子爵のおまけでの手柄なのだろう、と言われ……」
「最後はまぁほぼ事実だから仕方ないのだが。今回のベルカイム王国で汚名返上しなくては」
「は、その通りで。そのために今回は先にベルカイム王国に密偵を何人も送り込んでいますので。テルガニ子爵とモーネ王女のことが分かっていれば、そのことも指示できていたのですが」
「そこは確かに残念だが仕方がない。今からできることをしよう。この距離ならば本来はニースコン付近におられるフェリック王太子へご挨拶するところであるが、ベルカイムに向かうことを優先しよう」
「はい、王太子ならばニースコンに向かうと逆に時間を無駄にしたと叱られる可能性もありますので」




