貨幣問題
「もう1点、よろしいですか?」
「レナルマン、今度は何?」
「金銭問題です」
「え?ジェロ様の収入で問題があるの?」
「そう、今までジェロ様の貴族年金、ポーションの売上、護衛などの冒険者報酬のおかげで我々は金銭的な不自由をせずに済んでいました。ただ、これからは貴族のふりをして移動するのでお金がかかります」
「それでも大丈夫なぐらいのお金はあるでしょう?」
「そう、でもそれはどこの国の貨幣ですか?」
「あ、コンヴィル王国の!」
「はい、ラーフェン王国に入ってからの金銭消費は銀貨や銅貨程度ですのでコンヴィル王国の貨幣でも良かったのですが、これからの消費でコンヴィル王国の金貨ばかりを使うのは危険です」
「どうするの?」
「金銭価値があるものをこの国で販売して、その売上をラーフェン王国の貨幣で貰えば良いかと。ということで、ジェロマン様、ポーションをいくつか余分にください。街に入ればすぐに換金して来ます」
「あぁ、お願いね。そのお金でモーネ王女の着替え等も購入してきてね」
「ジェロマン様、問題発生です!高額なやり取りはラーフェン王国の金貨ではなく、ムスターデ帝国の軍票になると。あんな紙幣、揉み消されたら終わりですよ。ラーフェン王国の支配が進んでいるようです」
「で、どうしたの?」
「軍票に驚いて拒否すると危険と思い、1つだけ販売して来ました。冒険者ギルドでの納品でも同じか見てきます」
商店に納品するより手数料分だけ引かれはしたが、冒険者ギルドでは貨幣にできたようで安心する。そのうち軍票になる可能性も示唆されたらしい。
宿屋への支払いは、高級宿らしく軍票でも可能と言われたので安心し、王女の着替え、燃えたジェロの衣服の代わりや食料品、ポーションにするための薬草や薬瓶の仕入れなどを手分けして行った後は、久しぶりに屋根付き、風呂付きでの宿泊となった。




