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転生プログラマーは結婚したい  作者: かず@神戸トア
目立たないギルド裏方

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初級冒険者3

初級冒険者として薬草採取や回復薬の調合までは順調であったが、その次の魔物討伐へステップを進める際に問題が出た。

前世も含めた年齢がそれなりであるジェロは、同世代よりも色々な習得は早いが、逆に前世のこともあったためか、魔物への恐怖心が強かったので、他者ほど上手く出来なかったのである。


一般的なEランク魔物のゴブリンよりまず先に、Eランクでも下位の角兎、ホーンラビットが良くある練習対象であった。前世のうさぎの額に1本の角が生えている魔物である。

ジェロは記憶が蘇ってからはトレーニングもしているので、同世代でも体格や筋力が劣っているというよりは逆に優れている方であった。そのため先輩からも期待されながら草原に向かったのであるが、いざ戦闘になるとホーンラビットによる角を活かした突進に怯えてしまったのである。

「そんながっかりするな。慣れだよ、こんなのは」

「怪我してもポーションがあるし、ジェロは自分で回復魔法ができるだろう?」

と最初は慰めてくれていた先輩も、いつまで経っても腰が引けてまともに対峙が出来ないジェロはそのうち呆れられて訓練にも誘って貰えなくなってしまった。


『魔物の近くに寄りたく無いなら、弓矢や魔法で攻撃したら?』

『孤児院でお下がりがあるのは、今後に汎用性がある短剣、片手剣、盾ぐらいだから。それに攻撃魔法なんて神殿では教われないから』

『契約してくれたら、私が攻撃魔法を使ってあげるよ』

『いや、契約は……』



結局、ジェロは冒険者として駆け出しであるEランク、木級のまま成人し、色々とあって今は冒険者ギルドの事務職員となっているのである。

そのため、眺めている冒険者カードの材質は木であり、年数も経っているのでかなり痛んでいる。


お金に余裕が出て自己研鑽をするように言われたのであるが、冒険者のランクを上げる方向を選ぶにしても、やはり魔物は怖いので弓矢や魔法など遠隔攻撃の手段を考えたい。


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