ルスハンでのモーネ奪還作戦3
ジェロは背中の≪火槍≫の治療を完了できていないまま、足に受けた≪火槍≫の痛みと両手がモーネを抱えていることが邪魔になり、自身での魔法発動がままならない状態で≪飛翔≫し続けている。
「ジェロ様!」
魔法の交戦が闇夜に目立ったためか、待ち構えていた仲間達が街道に進み出て来ている。
「コンスタン、モーネ王女をお願い」
一番体格が良く実際に力があるコンスタンに対して投げ落とすようにモーネを渡して、その少し奥に倒れ込む。気力だけで持たせていたような感じであり、もう≪飛翔≫どころか傷回復ポーションを飲んだり自分で回復魔法を発動したりする気力も無いまま意識を失う。
「ジェロ様!」
「テルガニ子爵!」
仲間達がジェロ調合の特級の傷回復ポーションをかけてくれたので火傷傷は修復されたがジェロはまだ目覚めない。
「よくもジェロ様を!」
リスチーヌ、アルマティ達が6人で発動する攻撃魔法と≪結界≫魔法に紛れてヴァルとハポリエルが同様の魔法を発動させるので、アラトラスも劣勢と認識したのか
「この続きはまたにさせて貰うと、そのガニーの英雄に伝えておくのだな」
と去って行く。
街道のままでは帝国兵の追跡の懸念があるため、予定通りの集合場所にジェロをコンスタンがおんぶして、モーネ王女は自身の足で歩いて貰い移動する。
翌朝になり目が覚めたジェロは、周りから心配そうに覗き込まれているのが恥ずかしく飛び起きる。
「魔人は?モーネ王女は?」
「はい、魔人はまた、と去りました。王女はこちらに」
レナルマンとマドロールが合流して来るまでは、朝食をとりながら休息を取るのであった。焼け焦げた服装も着替えるが、正装とアナトマが制作してくれた紋章入りの黒ローブになり、微妙な組み合わせである。




